コラム 2021年11月号 かくれ脱水について

2021年11月8日 コラム

冬にも脱水⁉︎

朝と夜が冷え込み、昼との寒暖差が大きくなってきましたね。いよいよ冬がやってきます。皆さんは、冬に備えてどんな対策を行っていますか。寒さ対策と同様に冬にしっかり対策しなければならないことがあります。それは、かくれ脱水(冬脱水)の予防です。「冬に脱水?」と思う方も多いと思います。脱水と聞くと、気温が高くたくさん汗をかく夏をイメージすると思いますが、実は冬にも脱水は起こりうる現象なのです。特に、高血圧や心臓病など慢性疾患を持つ高齢者は気をつけなければなりません。では、なぜ冬にも脱水は起こるのでしょうか。

脱水症とは?

 脱水症とは、1日に体内の不足した水分量が体重の3%以上になった状態を言います。その脱水症になる前の、体重の1〜2%の水分が失われた状態を「かくれ脱水」と言います。

 脱水症になると、体に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。なぜなら、酸素や栄養を運ぶための働きを担っている体液が減少してしまうからです。体液は血液、リンパ液、消化液から成り、水分と塩分は体外に排出されます。そのため、体の水分量を保つためには排出される量と同じ量補給される必要があります。

体液の20%を消失すると生命維持が難しくなり死に至ります。

脱水症状

なぜ、冬にも脱水は起こるの?

原因は大きく分けて2つあります。

・空気の乾燥

 冬は空気が乾燥しており、暖房器具やエアコンを使用することでさらに乾燥します。これにより、呼吸や皮膚・粘膜から普段より多くの水分が体外へ出ていきます。また、最近の住居は気密性が高く、高温で湿度も低い状態になりやすい事も関係しています。

・体の水分の減少に気づきにくい

 冬は水分を失っている自覚が少ないため、夏に比べ水分補給の量が減りがちです。さらに、高齢になると喉の渇きに気づきにくくなるため注意が必要です。

これらの、原因によって知らず知らずのうちに体内の水分が減少し、かくれ脱水は引き起こされます。

予防していこう!!!

 かくれ脱水にならないためには正しく予防していく事が重要です。

・体に必要な水分量

 体内の水分は1日に2.5L排出されます。そのため、同じだけの水分を摂取する必要があります。そのため、重要なのが「こまめな水分補給」です。

 水分補給では約1.2Lほどの摂取が必要です。「1.2L結構あるな」と思われる方も多くないと思います。しかし、コップ1杯の水を1日に6〜8回飲むタイミングを作ることで摂取することができます。

コップ1杯➡180㎖~200㎖

1日の水を飲むタイミング例

・冬の入浴に潜む危険

 冬場の入浴は、脱衣所と浴室の急激な温度差により血圧が急変する「ヒートショック」を起こす危険があります。ヒートショックに加え脱水状態だと、血圧の変動も大きく事故のリスクが高まります。そのため、入浴の前後にはしっかりと水分補給を行いましょう。

・飲み物の選択

 アルコールや緑茶などカフェインの含まれる物は利尿作用があるため注意が必要です。

脱水症になったら⁉︎

・感染性胃腸炎やインフルエンザによる脱水症

➡発熱・下痢・嘔吐により、水分の他にナトリウムやカリウムといった電解質も減少します。そのため、電解質を含み水分の吸収速度の速い経口補水液が有用です。

・重度の状態で発見した場合

➡脱水症の症状が治らない場合や重度の状態で発見した場合はすぐに近くの病院に受診しましょう。点滴による水分、電解質の補給が必要な場合があります。

5つのポイント

➀こまめな水分補給。(1日コップ6~8杯程度)

②日常生活では温かい白湯・麦茶。

③運動を行う際はスポーツドリンクを。

④もし、脱水症になった場合はすぐに水分補給。(経口補水液がおすすめ)

⑤症状の改善が見られない・重症状態の場合はすぐに病院へ。

最後に…

 脱水症はなってからの対応よりならないための予防が大切です。そのため、場面場面に応じた水分補給を行なっていきましょう。

熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。

診療内容:整形外科・スポーツ整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科

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