コラム 2023年4月号 シニアの運動 最新トピックス
2023年04月1日 その他
春が訪れ外出しやすくなる時期となりました。
そろそろ外で歩こうかな、体を動かしたいなと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
運動をすることは、高齢の方の認知症などの要介護のリスクや死亡のリスク低下に有効的であるということはよく知られていますが、具体的な事については解明されていないのが現状です。
今年に入り、高齢の方の運動に関する論文の発表がありましたので2つ紹介したいと思います。
1つ目は、「運動は週2回以上、1人よりも仲間(仲間とは、夫婦や友人など2人以上のこと。)と行うほうが認知の機能低下予防に効果的」というものです。
運動サークルなどの集団では社会的交流もあり、以前から認知機能低下に有効的であることが報告されています。今回、約4300人を対象に行った研究よると、週2回1人で運動を行う(22%減)よりも仲間と行う運動(34%減)の方がより認知機能障害の抑制効果が高くなることが明らかになりました。集団でなくても夫婦や友人と運動を行うことでも認知機能抑制につながることが分かりました。
2つ目は、「歩行で1㎞、自転車で2㎞の移動の許容をできる方は要介護化や死亡リスクを上げない目安となる」です。
高齢の方の移動の許容距離(どのくらいの距離であれば歩行や自転車で移動しようと思うか)と要介護化リスクと死亡リスクの関連性を約7000人を対象にして検証した結果、上記の移動距離が指標となることが分かりました。
皆さんはどのくらいの距離なら歩いて、もしくは自転車で移動しようと思いますか?
先ほどの指標より長く移動できるときは維持できるように、指標より短い距離の時は指標に近づけるように有酸素運動や筋力トレーニング、ストレッチなどを行ってみてはいかがでしょうか。
ご家族のおじいちゃんやおばあちゃんにどれくらい移動できるかを確認して、参考にするのもいいでしょう!
1つ目の論文と合わせて、奥さんや旦那さん、ご友人を誘って運動されると認知機能低下予防がさらに高まり効果的な運動になりますね!
是非周りの方を誘って、歩行で1㎞、自転車で2㎞を指標に運動を行ってみてはいかがでしょうか?
参考文献:
TSHKUBA JORNALホームページ
URL:https://www.tsukuba.ac.jp/journal/