コラム 2020年11月号 小中学生が老化!?

2020年11月9日 コラム

***** 小中学生が“ 老化 ”!? 4割の子どもに広がる「ロコモ」 *****

「ロコモ」とは、加齢や運動不足が原因で筋肉、骨、関節などに障害が発生し、身体機能の低下をきたす状態で、主に高齢者特有の症状と認知され、要介護となる最大要因でもあります。ところが、ある県医師会が幼稚園から中学生までの子供に運動器の検診を行った結果、何と約4割にロコモの兆候がみられたというのです。なぜ、成長期の子どもの体に老化が広がったのでしょうか?

●高齢者に多いロコモが、近年、子供たちにも広がる。

●「運動しない子」と「単一運動を頑張る子」に高いリスクが。

●1日60分の多彩な運動と、筋肉・骨を作る食事とビタミン摂取を。

○高齢者の健康寿命を阻害する「ロコモ」

人間の体には「呼吸器」「循環器」「消化器」等がありますが、筋肉、骨、関節等で構成され、体を自由に動かす働きをするのが「運動器」です。運動器の障害のために、「立つ」「歩く」といった移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、運動器症候群)といいます。骨や筋肉は40歳頃から衰え始め、50歳を過ぎた頃から急激に低下します。加齢はロコモの大きな要因であり、当然ながら高齢者に多いものでした。介護が必要になる要因の第1位です。

○約4割の子どもに「ロコモ」の兆候が!?

ところが様々な調査等で、高齢者に特有と思われてきたロコモが子どもにも起こっていることが、ここ10年で明らかになってきました。そこで、文部科学省の委託を受けたある県医師会が、県内の幼稚園から中学生までの子供約1500人に運動器の検診を行った結果、何と約4割もの子どもにロコモの兆候がみられたというのです。こうした事態を受け、文科省は学校での健康診断に運動器検診を追加しています。

「ロコモ」の子どもが出来ない動作とは!?

■片脚でしっかり立てない 

■手が真っすぐ挙がらない 

■しゃがみ込むとふらつく 

■物を投げる動作ができない 

■雑巾が硬く絞れない 

■転んだ時に手で支えられず顔に怪我をする 

■両手首を同時に骨折してしまう

以前なら考えられないような事態が学校などで発生しているそうです。

○「運動しない子」と「運動を頑張るが、単一運動」が危険!?

子供でロコモになる場合、2つのケースがあります。

1つは、運動量・運動経験が少ない子です。学校の授業以外の運動が、週に1時間未満の子どもを分析すると、ゲームやネットなどで全く運動しない子が8割近くに上るといいます。使われない筋肉はやせ細り、関節も硬く柔軟性のない体になってしまいます。これでは、運動器の機能が十分に育まれないおそれがあります。

もう1つは、運動量は多いが、単一運動、1種目しか運動していない子供です。1つの運動だけを1週間で10時間以上している子供も、使われる筋肉が偏ってしまうため、運動器のバランスが崩れ、関節が硬くなってしまうことがあります。同じような動きばかりでは使われる体の部分は毎回同じですから、他の運動器は使われることが少なく徐々に機能が低下。一方、頻繁に使われる部分はどんどん負担がかかり損傷を受けやすいのです。

○放置すると30~40歳代で運動障害も!…では対応策は?

ロコモの子どもを何の対処もなく、そのままにしてしまうと、30~40歳代という早い段階から、いろいろな運動器障害が出てしまうリスクがあります。ロコモへの対応策としては、体全体を動かす運動習慣をつけること。出来れば、1日60分以上の運動を、自分が楽しいと感じる範囲で行うことが望ましいでしょう。スポーツに限らず、遊びでも構いません。木登りやボール遊び等をする中で、体を効率よく動かすには、どの筋肉や関節を連動させればいいか等を自然と学んでいくのです。筋肉と骨を作るためには、食事も大切です。タンパク質やカルシウムの摂取を心がけることに加えて、ビタミンB6(代謝を促し筋肉を作る)やビタミンK(骨の形成を促進)の摂取も心がけてください。

参考:NHKライフスタイル他

熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。

診療内容:整形外科・スポーツ整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科