コラム 2023年1月号 冬でも起こる栄養失調「冬型栄養失調」について
2023年01月6日 コラム
新年あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
今後も役立つ情報をお届けできるように、定期的にコラムを掲載しますので、ご覧いただけたらと思います。
さて、昨年末からクリスマスや忘年会、年越し等イベント続きで普段よりも食事の量が増えているのではないでしょうか?食べ物には、さまざまな病気の予防になる栄養素が含まれている反面、偏った食生活では生活習慣病などの病気を引き起こすリスクがあります。
食べ物にどんな栄養素が入っていて、どんな働きがあるのかを知って、健康な体を維持するためにお役立てください!
そこで、今月のコラムでは「冬型栄養失調」についてお伝えします。
人間は、寒さに耐えるだけでも体力は消耗されます。
寒さが苦手な方にとっては1月、2月とつらい時期になりますね・・・
しっかりと栄養を摂って、身体が冷えないように対策しましょう。
特に冬型の栄養失調は、場合によっては心臓や血管系の重大な疾病につながることもあります。
新年早々に体調不良等ならないように、気を付けていきましょう!
※食事で摂取できる栄養素や様々な成分の健康影響は、習慣的・継続的な摂取によって生じるものであり、1回の摂取では効果・効能は得られません。
▽「冬型栄養失調」について
こんな症状ありませんか?
・まぶたがピクピク動く
・口内炎がよくできる
・傷が治りにくい
・髪がよく抜ける
・外に出るとドキドキする
このような体の不調の原因は、「冬型栄養失調」かもしれません。
栄養素によっては、寒さに対応するのに使われてしまうことで、普段と同量摂っていても不足してしまいます。
栄養の消費量を夏と比較した場合、およそ10%増しともいわれています。こうした栄養不足、バランスが悪くなってしまう状態が、冬型栄養失調といわれます。
▽冬に不足しがちな栄養素
〇マグネシウム
寒さで硬直した筋肉や血管を元に戻すのにマグネシウムが使われるため、冬に不足しがちです。
マグネシウムを多く含む食品:油揚げ、納豆、ひじき、海苔、昆布など
〇葉酸
葉酸は、赤血球の材料の一部です。身体を温めるために、体を燃焼させる酵素を体中に届けるのに大量の赤血球が使われるので、不足してしまいます。
葉酸を多く含む食品:ほうれん草、小松菜、春菊、レバーなど
〇脂質
脂質は、保湿成分であり、脳の構成成分です。冬に乾燥して湿度が低下すると、体の乾燥を補うために使われるので、不足していきます。
良質な資質を含む食品:魚、オリーブオイルなど
▽血流が悪くなる?
冬になると、寒さで血管が収縮するため、どうしても血流が悪くなりがちです。そもそも血液には、栄養素や酸素を体中に運ぶ役割があります。
そのため、血流が悪くなると、体の色々なところでトラブルが起こります。
〇しもやけ、あかぎれ
血流が悪くなることで指先への血の巡りも悪くなり、しもやけやあかぎれになりやすくなります。
〇冷え症
辛い冷え症も、血流が悪くなることが大きな原因とされており、血行の改善が冷え性改善に繋がります。
〇高血圧
暖かい部屋から寒い屋外などに行くことが多い冬、急な温度低下で交感神経が刺激され血圧も激しく変動します。
血圧が急激に高くなると、脳卒中や心筋梗塞などのリスクも増します。ですので、高血圧などの病気は、温度差の激しい冬と夏に発生率が高くなっています。
〇肩こり
肩こり、筋肉のこりの多くは、運動不足で筋肉の収縮が起こらずに筋肉が硬くなり、血流が悪くなることで起きます。
血流が悪くなると筋肉に栄養や酸素が運ばれず、老廃物がたまることによって筋肉がこります。
筋肉が凝ると、さらに血液循環が悪くなり筋肉に酸素が送られず、また老廃物がたまって肩こりがひどくなるという悪循環になってしまいます。
このように偏った食事や暴飲暴食を行うことで、栄養バランスが崩れ、身体に様々な影響を及ぼします。
これからは新年会シーズンに入りまだまだ飲食が多くなる機会もあるかと思います。バランスのよい食事と適度な運動を心がけて2023年を健康でより良い一年にしていきましょう。
参考文献:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)総論 葉酸」(PDF) https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000067134.pdf