コラム 2023年5月号 春バテについて

2023年05月1日 コラム

朝と日中の気温の差が多くあり、この寒暖差で自律神経が乱れ、心身に不調をきたすことを「春バテ」といいます。今回は、春先に起こりやすい春バテの原因や予防法について、ご紹介します。

夏バテのイラスト(男の子)

春になると、

・なぜか体がダルい

・朝起きるのがツラい

・イライラして落ち着かない

・寝付きが悪く眠りが浅い

・やる気が出ない

・食欲があまりない  

といったことはありませんか?

これらは、春バテの症状です。1つでも当てはまった方は「春バテ」の可能性があります。

春バテには明確な症状があるわけではないので、ついつい見逃しがちですが、
そのまま放っておくと、どんどん症状が悪化してしまう恐れがあるので、要注意です。
では、どのようなことが原因で春バテは起こるのでしょうか?

春バテの大きな原因は「自律神経の乱れ」です。
3〜4月は一年の中でも特に寒暖差が大きく、日中のあたたかい気温に比べて朝晩の冷え込みが厳しいため、自律神経がうまく対応できません。特に高齢者は、体温調節機能が低下するので、寒暖差の大きい春は体調に影響を受けやすいと言われています。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経があり、この2つがバランスをとりながら内臓や血管などの働きをコントロールして身体の状態を整えてくれています。

交感神経…活動時や昼間に活発になる。心拍数を増やしたり、血圧をあげるなど心身の活動力を高めてくれる。
副交感神経…安静時や夜間に活発になる。疲労回復、心拍数や血圧を落ちつかせてリラックスさせてくれる。

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春バテは交感神経が副交感神経より優位に働き、過度に働いている状態から生じます。交感神経が優位に働くと「疲れ」や「だるさ」を感じやすくなるのです。

では、高齢者の自律神経が乱れると、どのような症状が現れるのでしょうか?

高齢者が春バテになると起こる症状

〜食欲がない〜

食欲がないからといって何も口にしないと低栄養や脱水の心配もあるため、持病などの特別な配慮が必要でない限りは、栄養バランスが偏っても、まずは口にできるものを食べるようにしましょう。
高齢者は、食べられなくなるとすぐに脱水を起こして、命の危険に関わることもあります。
食欲の低下に気づいた時は、早めにかかりつけ医に相談するようにしましょう。

〜心身がダルい〜

高齢者は、筋肉量の低下や低栄養により、ダルさを感じることがあります。
しかし、急にダルさを感じるようになった場合や、十分な休養をとっても疲れが取れない場合は、心身の病気が隠れている可能性があります。

〜めまい〜

立ち上がりの際や起き上がる際にふらついてしまうのも、実は自律神経の乱れが原因の可能性もあります。
めまいを起こして転倒してしまい、骨折や寝たきりにつながるケースもあるので、違和感を感じたら早めに検査を受けることをおすすめします。

高齢者は若い世代よりもよく体調を崩しやすいため、体調が悪くても我慢してしまうことがあります。
しかし、場合によっては要介護度が進行していたり、思うように動けないようになってしまったりすることがあるので「いつもと違うな」と違和感を感じたら、かかりつけ医に相談するようにしましょう。

▽まとめ

・春は体調不良になりやすい

・春バテの予防は「寒暖差をなくす」「バランスの取れた食事」「お風呂に浸かる」「質の良い睡眠をとる」

季節の変わり目に体調を崩す方は少なくありません。
特に高齢者は、体温調節機能が低下するので、より体調を崩しやすいです。
春バテは少しのことに気をつけるだけで対策できるので、春バテを予防して、元気に春、夏を迎えましょう。

熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。

診療内容:整形外科・スポーツ整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科

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