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コラム 2021年3月号 ヒアルロン酸と関節

2021年03月7日 コラム

注目されるヒアルロン酸

ヒアルロン酸は、もともと体内(目や皮膚、関節など)に含まれている成分です。ヒアルロン酸はその優れた保水力で注目を集めており、身近なものでは化粧品(皮膚に潤いを保つ化粧水やスキンクリームなど)や健康食品などに使用されています。また医薬品(関節内注射薬や目薬など)にも使用されています。

<ヒアルロン酸の特性>

◯優れた保水力細胞の間で水を保持し、細胞に適度な潤いを与えています。ヒアルロン酸の保水力は大変優れており、1グラムで6リットルの水を保持するといわれています。

◯粘性と弾性ヒアルロン酸は、非常に高い粘性(ねばりけ)と弾性(元に戻ろうとする性質)が特徴です。粘性と弾性はヒアルロン酸の濃度や分子量(ヒアルロン酸の長さ)によって異なります。また、体内の存在する部位や病気によってヒアルロン酸の状態は変わってきます。

<カラダの中のヒアルロン酸>

引用:日本コラーゲン株式会社

ヒアルロン酸は、からだの中のさまざまなところに存在しています。特に、へその緒(臍帯(さいたい))、関節液、皮膚、目などに多く含まれています。

◯関節関節腔を満たす関節液、関節軟骨などに含まれ、関節の動きをよくしたり(潤滑作用)、クッションのように衝撃を吸収する働きをしています。

◯皮膚皮膚に多く含まれ、肌の乾燥を防ぎ、ハリを与える役割を担っています。

◯目硝子体(しょうしたい)に多く含まれ、目の形を維持する働きをしています。

<加齢とヒアルロン酸>

引用:ガールセン癒しの湯株式会社

加齢とともにからだのヒアルロン酸は減少していきます。ヒアルロン酸が減少すると、肌のハリがなくなったり、関節の動きが悪くなり、痛みを生じることがあります。からだの中のヒアルロン酸の量は、加齢とともに減少していきます。特に皮膚では、大人の皮膚に含まれるヒアルロン酸の量は、赤ちゃんの20分の1といわれています。関節の中で潤滑油やクッションの役割をはたしているヒアルロン酸が減少すると、関節に痛みが出てきます。歩き始めるときに膝に違和感を覚えたり、階段を昇り降りする時に痛みが出たり・・・思い当たりませんか?中高年以上の方におこる関節の痛みの原因の一つにヒアルロン酸など関節成分の減少があります。関節痛で最も多い、膝関節を例に痛みの進行をみてみましょう。

・正常な関節

正常な関節の表面はガラスのようにつるつるした軟骨(硝子軟骨)で覆われています。これがクッションとして働いて、衝撃を吸収したり、関節の動きを滑らかにしています。

・初期は…

軟骨の表面がざらざらして弾力性が低下し、力のかかる部分がだんだんすり減ってきます。また、関節を包む滑膜(かつまく)にも炎症が起きます。この時期は、階段の昇り降りの時や長時間の歩行で痛みを感じたりします。

・進行すると…

力のかかる部分の軟骨がなくなります。痛みがだんだん強くなるだけでなく、膝の変形が生じたり、滑膜の炎症が進んで、関節に水がたまることもあります。関節の痛みは初期から治療することが重要です。早めに整形外科を受診し、関節軟骨の変性(すり減りなど)を早期から抑えましょう。

<日常生活の注意点>

・太ももの筋肉を含む全身を鍛える運動をしましょう

・太り過ぎに注意しましょう

・膝を温めて血行を良くしましょう

<ヒアルロン酸の関節内注射>

関節の痛みに対する治療には、痛み止めの内服薬や貼り薬などがありますが、このほかによく行われている治療として、膝や肩の関節に注射を行う方法があります。ヒアルロン酸の関節内注射は、長い歴史を持ち、広く行われている関節痛の治療法です。ヒアルロン酸を注射することによって、加齢などにより減少したヒアルロン酸を直接補い、さらに関節でのヒアルロン酸の産生能を高めたり、痛みや炎症を抑えたりする効果が期待できます。詳しくは専門医にご相談ください。

ヒアルロン酸と関節痛の情報サイト (e-kansetsu.jp)

科研製薬株式会社

熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。

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