コラム 2021年9月号 骨粗鬆症
2021年09月2日 コラム
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。日本には約1,200万人以上の患者さんがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。
症状
骨粗鬆症になっても、痛みはないのが普通です。
しかし転んだり、重いものを持ったりとちょっとしたはずみで骨折しやすい状態です。
骨折しやすい部位
●背骨(脊椎の圧迫骨折)
●手首(橈骨遠位端骨折)
●腕の付け根(上腕骨頚部骨折)
●太ももの付け根(大腿骨頚部骨折)
主にこの4箇所が骨折しやすい場所です。骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなります。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。
原因と病態
からだの中の骨は生きています。同じように見えても、新たに作られること(骨形成)と溶かして壊されること(骨吸収)を繰り返しています。骨粗鬆症は、このバランスが崩れることで起こり、骨がスカスカになってきます。骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関わりが深いと考えられています。
診断
X線(レントゲン)検査でも可能です。骨の量や成分(骨密度)を測定するためには、デキサ法(2重エネルギーX線吸収法)、超音波法、MD法、CT法といったものがあります。
※当院ではデキサ法にて腰椎、大腿骨の骨密度の測定を行っております。
予防
・転ばないように注意する。
・カルシウムを十分に摂る。
・ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムなどミネラル分を摂る。
・適量のタンパク質を摂る。
・禁煙し、アルコールは控えめにする。
・適度な運動、日光浴をする。
治療
内服薬や注射などによる治療を行います。
骨折した場合は、それに応じた治療が必要です。
閉経後の女性には、整形外科医の定期的な検診をお勧めします。
まずは骨密度測定を行い、自身のカラダのことを知ってみてはどうでしょうか?