コラム 2024年2月号 寒暖差疲労について

2024年02月1日 コラム

今冬は「暖冬」と言われており、暖冬では気温のアップダウンも大きくなるため寒暖差にはより注意が必要になります。

○寒暖差疲労とは

気温差によって身体の機能を調節する自律神経が働きすぎて、エネルギーを消費してしまうために起こる症状のことです。

主な症状は、疲労感やめまい、食欲不振などです。

1日の最高気温と最低気温との差が7度以上ある日や、前日との気温差が7度以上ある日に症状が現れやすいと言われています。

○寒暖差疲労の症状・セルフチェック

1.暑さや寒さが苦手である

2.エアコン(冷房・暖房)で体調が悪くなりやすい

3.顔や全身がほてりやすい

4.自分だけが寒かったり、暑かったりすることが多い

5.寒暖差が大きいと、頭痛や肩こり、めまい、関節痛などさまざまな症状が現れる

6.熱中症、または近い状態になったことがある

7.季節の変わり目に体調を崩しやすい

8.冷え性がある

9.温度が変わらない環境に長時間いることが多い(室内では一日中エアコンをつけている)

10.身体がむくみやすい

※上記はあくまでも傾向であり、必ずしも寒暖差疲労によるものとは限りません。症状が続く場合は医師に相談しましょう。

○寒暖差疲労原因・メカニズム

寒暖差疲労に大きく関わると言われているのが自律神経です。

自律神経は、身体を活発に動かすときに働く「交感神経」と、身体を休めるときに働く「副交感神経」で成り立っています。この2つの神経がバランスを取りながら、呼吸や体温、心拍、消化、代謝、排尿、排便などの生命活動に欠かせない機能をコントロールしています。

交感神経と副交感神経が急激に切り替わると臓器に負担がかかるため、ゆっくりと切り替えなければなりません。しかし、寒暖差が大きい日は、この自律神経の働きが1日の中で何度も急激に切り替わるため、臓器に大きな負担がかかって不調を誘発します。

○寒暖差疲労の対処法・予防法

♦︎身体を温める

寒い時は、血管が表面近くにある首元や肩甲間部、内腿をカイロやホットタオルなどで温めたり、スカーフやマフラーを使用すると良いでしょう。

また、入浴はぬるめの38-40℃のお湯に10-15分程度つかるのが良いでしょう。

♦︎運動を習慣づける

自律神経のバランスが崩れにくい身体づくりのために、適度な運動を習慣づけましょう。

15-30分程度の運動を習慣づけることで、身体の筋肉が増えて自律神経のバランスが乱れにくくなります。

♦︎首と肩の緊張を緩める

首と肩の筋肉をストレッチすると、筋肉の緊張が緩んで副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整いやすくなります。

※両手を後頭部に添えた状態で手の重みで首の後ろを伸ばす
※ゆっくり上を向くことで首の前を伸ばす
※首をゆっくり左右真横に倒す
※肩甲骨周り、腰(骨盤周り)、背中、太ももの裏、ふくらはぎの筋肉を伸ばす

♦︎身体を温める食べ物を摂取する

深部体温が上昇することで、臓器が安定し自律神経も安定します。

また、冷たい飲み物は臓器を冷やすため寒暖差疲労の悪化に繋がる恐れがあります。冷たい飲み物は控え、身体を温める根菜類や温かい飲み物などがおすすめです。

♦︎冷暖房器具に頼りすぎない

冷暖房器具に頼ると自律神経が働く機会が減少することで、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくできなくなります。食事や服装、運動などで体温を調節できる場合は、そのほうがよいでしょう。

♦︎規則正しい生活を送る

不規則な生活は自律神経の乱れにつながり、寒暖差疲労が発生しやすくなります。自律神経のリズムを整えるためには、規則正しい生活を送ることが重要です。

眠りやすい状態をつくって睡眠の質を上げることも、寒暖差疲労の対策としておすすめです。

<眠りやすい状態をつくるポイント>

・日中は太陽に当たり、睡眠に関わる物質であるセロトニンを増やす

・個人差はあるが、睡眠は7時間を目安にとる(23~6時頃が理想的)

・入浴をして身体を温める

・寝る前は、交感神経を活性化させるパソコン・スマホなどの明るい画面を見ない 

など。

○最後に、

寒暖差疲労は、寒暖差が大きい季節の変わり目やエアコンを過剰に使用しているときなどに起こりやすくなります。日常の過ごし方を意識し、寒暖差疲労に負けない身体づくりを心がけましょう!

参考:帝人株式会社資料

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