身体を捻るスポーツをしていて、首が痛い…胸が痛い…は肋骨が原因!?
肋骨(ろっこつ)疲労骨折
肋骨は、あばら骨とも言い、背骨から内臓を取り囲む形で全部で24本、両側に12本ずつある骨です。ゴルフや野球のスイング動作、剣道やウエイトトレーニングでみられます。頻度としては疲労骨折全体の1.2%と多くはありません。疲労骨折についてはこちらをご参照ください。
原因と病態
第1肋骨疲労骨折
腕を上げる動作を起点として発症します。ウエイトリフティング、チアリーディングなどのスポーツに多くみられます。斜角筋という首の筋肉が第1肋骨を上に牽引、前鋸筋というわき腹の筋肉が下に牽引することで第1肋骨にストレスが加わり発症します。
第2~9肋骨疲労骨折
ゴルフ、野球、ソフトボールなどのからだの捻りを伴う動作を繰り返す競技に多くみられます。ゴルフによるものは利き手と反対側の第5-6肋骨に多く、野球では利き手側の第7-8肋骨に多いと言われています。肩甲骨やわき腹の筋肉である前鋸筋が関与して発症するとされています。投球フォームにおいてはオーバースローよりもアンダースローに多いと言われています。
症状
身体をひねると胸に痛みを感じたり、骨折部位を押さえると痛みを感じたります。第1肋骨疲労骨折の場合は首から肩甲骨の内側に痛みを自覚することが多く、首や肩の疾患と感じてしまうこともあります。
検査・診断
練習量や練習環境の変化、フォームの変化、ポジション等問診をしたうえで、圧迫した時の痛み、可動域、痛みが出る動作の確認をします。初期では、X線(レントゲン)検査では所見が認められないことが多く、まずMRI検査を行います。局所の炎症や微細な損傷は超音波検査を行います。発症後2週間以上経っているものではレントゲンでも変化が認められることがあります。
治療
基本的には疲労骨折が生じた部位に負担をかけないことが重要です。からだをひねることが痛ければその動作はしないようにします。
痛みがある状態で、無理に練習を続けてしまい疲労骨折の発見が遅れると、骨折が治りにくい「難治性骨折」や「偽関節」となる場合があります。手術が必要となる場合もありますので注意が必要です。
復帰に関しては、定期的なMRIや超音波検査、X線検査の結果を見て、試合や生活のニーズに合わせながら段階的に医師が復帰時期を指示・提案させていただきます。
保存療法
理学療法士が、疲労骨折を発生させる原因となる体の使い方やバランスの不十分な部分を評価し、適切にリハビリテーションを行います。併せて、普段心掛ける事や、自主トレーニング方法、患者様に合ったインソールなどのスポーツ用具に関しても、必要に応じてご提案させていただきます。
当院では、疲労骨折に対して、超音波骨折治療法「LIPUS(アクセラス)」を導入しています。骨折の治療期間が4割ほど短縮できたとの学術データもある先進医療の一つです。この治療法は、サッカーのデビッド・ベッカム選手や野球の松井秀喜選手が骨折治療のために受けたことでも知られています。
手術療法
固定用ネジやプレートで骨折部を整復・固定するための手術が行われることもあります。
熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。
診療内容:整形外科・スポーツ整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科