膝を強打したあとから、歩いたり運動すると膝が不安な感じがする!?しゃがんだり正座が痛くてできない!?
膝後十字靭帯損傷(PCL)
後十字靱帯(PCL)は、膝を支えている重要な4つの靭帯のうちの1つで、脛骨の後ろから大腿骨内側顆の外側面へ向かっている靭帯です。この靭帯は、膝の後方向や捻りに対して制御する能力を持っています。後十字靭帯は、前十字靭帯より厚く、前十字靭帯とほぼ直角に走っています。
原因と病態
膝関節を構成する脛骨が後方へ押し込まれるような力が過剰に加わることで後十字靱帯が損傷します。例えば、膝を強く捻ったり、急に膝をついた時、また交通事故で膝を打った時など(特にダッシュボードでぶつけた時)が原因で損傷します。損傷してしまうと、日常生活には特に支障をきたすことはありませんが、階段を下るときやスポーツで着地したときに膝が崩れるような感覚が起きます。
症状
階段の下り、スポーツ活動中に膝の不安定感が起こる
歩行時、特に踵をついたときに不安な感じがする
膝の腫れ、痛み
検査・診断
徒手検査
関節内腫脹、靱帯の緩みの確認
レントゲン検査
骨傷の確認
MRI検査
靱帯損傷の有無、半月板損傷や骨挫傷など合併症の確認
治療
PCL損傷の治療は、保存療法を選択することが多いです。損傷の程度が軽い場合や、周辺の組織と癒着し関節の緩みが小さく症状がはっきりしない場合、手術の必要性はありません。
急性期は患部の安静を図るため、固定及び免荷をし、関節内に出血があれば穿刺を行う場合があります。関節内の腫脹、疼痛が軽減してきたら専用サポーターを装用し、リハビリテーションで大腿四頭筋の強化と膝関節可動域訓練を行います。疼痛が落ち着き、可動域が回復してから徐々にスポーツを再開していきます。
程度の強い後十字靱帯損傷では、後方への不安定な症状が残存してしまいます。手術適用に関しては、日常生活やスポーツ活動時の不安定性の程度などを考慮し、慎重に決定する必要があります。
熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。
診療内容:整形外科・スポーツ整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科