スポーツマンは要注意!?足の甲が痛いのは疲労骨折かも!
中足骨疲労骨折
中足骨とは足の甲にある細長い骨で、5つあります。親指側が第1中足骨で小指側が第5中足骨となります。中足骨は下肢の疲労骨折のなかで脛骨に次いで多く発症する骨で、足部・足関節では最も多い部位と言われています。なかでも第2及び第3中足骨の中心部分に多く、陸上競技、バスケットボール、バレーボール、剣道などで多くみられます。行軍骨折とも呼ばれます。また、第5中足骨の疲労骨折はJones(ジョーンズ)骨折と呼ばれ、サッカーで多く見られます。疲労骨折についてはこちらをご参照ください。
原因と病態
中足骨はランニングやジャンプの際に大きな力が繰り返し加わり、その疲労骨折が陸上競技の短・長距離や跳躍、バスケットボール、バレーボール、剣道などで多いです。第2及び第3中足骨に多く、次いで第4中足骨に多く見られます。第2中足骨の疲労骨折はポワントポジションを繰り返すバレエダンサーなどに好発すると言われています。
症状
強い痛みや内出血、大きな腫れを伴うことはないですが、運動しているときや圧迫したときに痛みを感じることが多いです。しかしJones骨折は圧迫したときの痛みがない場合が約半数に上り、また、動きの中でも痛みを訴えないことが多く、これが早期発見を遅らせていると言われています。痛みのある部位が腫れたり、少し膨らんだりする場合もあります。
検査・診断
まず、ぶつけたり捻ったりという明らかな外傷がないのに、なかなか改善しない慢性的な痛みや腫れがあるときは疲労骨折を疑います。
初期では、X線(レントゲン)検査では所見が認められないことが多く、まずMRI検査を行います。局所の炎症や微細な損傷は超音波検査を行います。発症後2週間以上経っているものではレントゲンでも変化が認められることがあります。
治療
一般的には1.5~2か月のスポーツ活動の中止で治ると言われています。しかし、Jones(ジョーンズ)骨折では治りが遅く、ギプス固定や手術治療が勧められます。
基本的には疲労骨折が生じた部位に負担をかけないことが重要です。
痛みがある状態で、無理に練習を続けてしまい疲労骨折の発見が遅れると、骨折が治りにくい「難治性骨折」や「偽関節」となる場合があります。手術が必要となる場合もありますので注意が必要です。
復帰に関しては、定期的なMRIや超音波検査、X線検査の結果を見て、試合や生活のニーズに合わせながら段階的に医師が復帰時期を指示・提案させていただきます。
保存療法
理学療法士が、疲労骨折を発生させる原因となる体の使い方やバランスの不十分な部分を評価し、適切にリハビリテーションを行います。併せて、普段心掛ける事や、自主トレーニング方法、患者様に合ったインソールなどのスポーツ用具に関しても、必要に応じてご提案させていただきます。
当院では、疲労骨折に対して、超音波骨折治療法「LIPUS(アクセラス)」を導入しています。骨折の治療期間が4割ほど短縮できたとの学術データもある先進医療の一つです。この治療法は、サッカーのデビッド・ベッカム選手や野球の松井秀喜選手が骨折治療のために受けたことでも知られています。
手術療法
固定用ネジやプレートで骨折部を整復・固定するための手術が行われることもあります。
熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。
診療内容:整形外科・スポーツ整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科