股関節が痛い、太ももが痛い、膝が痛い・・
大腿骨疲労骨折
大腿骨とは太ももの骨のことです。股関節部分である大腿骨頸部、太ももあたりの骨幹部、膝近くの遠位部に起こることがあります。女性の長距離走のランナーに起こることが多く、運動した際の痛み、押したときの痛みを認めます。疲労骨折についてはこちらをご参照ください。
原因と病態
大腿骨頸部(だいたいこつ けいぶ)疲労骨折
長距離陸上選手、バスケットボール、バレーボールなどで発生がみられます。2つの型があり、横断型は大腿骨頸部の近位部に亀裂が生じるもので、高齢者のジョギング愛好家に多いです。放置するとずれて転移を生じる場合があるため、こうなると手術が必要となります。一方、圧迫型は頸部の遠位部に生じ、比較的若い人に多いです。ずれることは少ないので保存的に治療します。
大腿骨骨幹部(だいたいこつ こっかんぶ)疲労骨折
大きな歩幅でのランニングやジャンプを繰り返す長距離、中距離、ハードル競技で起こります。
症状
疲労骨折を起こしている場所によって、鼠径部痛、股関節の前のほうの押したときの痛み、股関節横を叩いたときの痛み、太ももの痛み、膝の上の痛み、運動した時の痛み、動かしにくさなどを呈します。
検査・診断
まず、ぶつけたり捻ったりという明らかな外傷がないのに、なかなか改善しない慢性的な痛みや腫れがあるときは疲労骨折を疑います。
X線(レントゲン)検査では痛みが出て2~4週間経過しないとわからず、早期診断は骨シンチグラフィ、CT、MRI、超音波エコーが有用です。
治療
基本的には疲労骨折が生じた部位に負担をかけないことが重要です。普通の骨折治療と大きく異なる点は、多くの場合、骨折部の外固定(ギプス)が必要ない点です。スポーツ再開まで3~4週間を要します。
痛みがある状態で、無理に練習を続けてしまい疲労骨折の発見が遅れると、骨折が治りにくい「難治性骨折」や「偽関節」となる場合があります。手術が必要となる場合もありますので注意が必要です。
復帰に関しては、定期的なMRIや超音波検査、X線検査の結果を見て、試合や生活のニーズに合わせながら段階的に医師が復帰時期を指示・提案させていただきます。
保存療法
理学療法士が、疲労骨折を発生させる原因となる体の使い方やバランスの不十分な部分を評価し、適切にリハビリテーションを行います。併せて、普段心掛ける事や、自主トレーニング方法、患者様に合ったインソールなどのスポーツ用具に関しても、必要に応じてご提案させていただきます。
当院では、疲労骨折に対して、超音波骨折治療法「LIPUS(アクセラス)」を導入しています。骨折の治療期間が4割ほど短縮できたとの学術データもある先進医療の一つです。この治療法は、サッカーのデビッド・ベッカム選手や野球の松井秀喜選手が骨折治療のために受けたことでも知られています。
手術療法
固定用ネジやプレートで骨折部を整復・固定するための手術が行われることもあります。
熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。
診療内容:整形外科・スポーツ整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科