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股関節が痛くて靴下が履きにくい

変形性股関節症

股関節のクッションの役目を果たしている軟骨の摩耗などにより、股関節が変形することで、痛みや動かしづらさ、両足の長さの違いなどが生じます。中高年の女性に多いですが、生まれつき股関節が傷みやすい人なら、若年者でも起こり得ます。子どもの頃にかかった股関節の病気の後遺症として起こることもあります。進行を遅らせるための処置を早期に行うことが重要で、薬物療法と併せて筋力トレーニングや体重コントロールなどが必要です。病気がひどくなって安静にしていても痛みを感じるようになれば、人工関節に置き換える手術を行います。

原因と病態

股関節のクッションの役目を果たしている軟骨の摩耗などにより、骨盤の臼蓋(股関節の受け皿のような部分)と大腿骨の骨頭(先端が丸くなった骨)が変形することで、痛みや動かしづらさ、両足の長さの違いなどが生じます。中高年の女性に起こりやすいですが、臼蓋が小さ過ぎるといった臼蓋形成不全などで生まれつき股関節が傷みやすい人なら、若年者でも起こり得ます。子どもの頃にかかった股関節の病気の後遺症として起こることもあります。

関節の痛み、関節の動かしづらさ、両足の長さの違い、それに伴う歩きにくさが代表的な症状です。関節の軟骨がすり減り、関節の隙間がわずかに狭くなる初期では、起き上がったときや立ったとき、歩き始めたときなどに、足の付け根に何となく違和感を感じます。お尻、太もも、ひざに痛みやこわばりがある場合もあります。関節の軟骨の摩耗と変性が進行するにつれて痛みが増し、安静にしていても常に痛んだり、夜寝ていても痛みが続いたりすることがあります。その状態になると、やがて長い時間歩くことと立っていることがつらくなり、階段の上り下りに手すりが欠かせなくなるほか、足の爪切りや靴下を履くこと、正座をすることも難しくなるため、日常生活に支障を来たします。

診断

問診と股関節の動きをチェックなどをした後、レントゲン検査で診断します。ごく初めは関節の軟骨がすり減り、関節の隙間がわずかに狭くなっているだけですが、病気が進むにつれて、軟骨が薄くなり、関節の隙間が狭くなったり、軟骨の下の骨が硬くなったりするのが認められます。さらに進行すると、関節の中や周囲に、とがったトゲのような骨棘や骨の空洞も確認できます。最終的には体重がかかる部分の股関節の軟骨がほとんどなくなり、軟骨の下の骨が露出します。筋力が落ちることで足やお尻が細くなるほか、左右の足の長さが違ってくることもあります。必要に応じてCTやMRIなどの検査も行います。軟骨の摩耗や骨の変性は一度始まったら止まらないため、初期にしっかりと調べることが、進行を食い止めることにつながります。臼蓋の角度を見れば、5年後、10年後の予測もできるといわれているため、定期的に検査を受けることも重要です。

治療

早期の場合には、手術を行わない保存療法を行います。痛み止めを服用しながら、股関節の負担をできる限り減らすのが重要です。負荷がかかりにくい水中でのウォーキング、筋力トレーニングや、肥満気味であるなら食事を改善することによって体重コントロールを医師の指導のもと行うことで、かなりの改善が見られることもあります。杖を使うことで股関節への負担が軽くすることで歩くのが楽になり進行を遅くできます。これらの保存療法で改善がみられない場合、年齢や生活スタイルなどをふまえて手術が検討されます。関節がそれほど傷んでいない場合は、関節近くの骨を切ることで関節の向きを矯正し、残っている軟骨の位置を修正して体重がかかる位置をコントロールする手術があります。変形が進んでいる場合は、もともとの股関節を金属やセラミック、ポリエチレンなどの人工股関節に置き換える「人工股関節全置換術」を行うことで痛みがほぼ取れ、左右の足の長さのずれも少なくなるため、歩きやすく快適な生活が送れるようになります。

予防・注意点

人工股関節全置換術は有効な手術ですが、年月がたつにつれて人工関節にゆるみが生じ、人工関節の入れ替えのための再手術が必要になる場合もあります。20年で約60%の患者に緩みが生じているといわれていますが、再手術をすれば1~2ヵ月の入院でほぼ元通りになります。また、股関節に痛みがあると動かすのをためらってしまいがちですが、そうすると股関節のまわりの筋力が弱まり、さらに関節の可動域が狭くなるといった悪循環に陥るため、適度なトレーニングは欠かせません。杖を持つことに抵抗がなければ、杖をつくことも股関節への負荷を軽減するために有効です。

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