足首をひねった!!
足関節捻挫
捻挫は、足関節や手関節、肩関節や膝関節など、全身のあらゆる関節部位で起こります。きっかけは、スポーツ活動中の激しいぶつかり合いや走っている最中の急な方向転換、交通事故や転倒、日常生活中に段差を昇り降りしたときなど、さまざまです。自覚しやすい主な症状は、患部の腫れと痛みの2つです。このほかに、皮下や関節内の出血、熱感などがみられることもあります。
原因と病態
足関節の捻挫は内側にひねる足関節内反捻挫が多く、スポーツ時や日常生活中など、さまざまな場面で数多く発生しています。足関節内反捻挫の場合は、足関節の外側、外くるぶしの付近にある外側靭帯のうち前距腓靭帯が引き伸ばされる、あるいは一部が切れることにより捻挫に至ることが多いとされています。
症状
主な症状は、患部の痛みと腫れです。痛みと腫れの程度は、靭帯の損傷が大きいほど強くなる傾向にあります。このほか、捻挫の重症度や損傷部位などにより、関節のぐらつき(不安定性)や可動域の制限、内出血などが生じることもあります。捻挫による強い痛みや腫れなどの症状は、受傷してから数週間~数か月経つと和らいでいき、その後は運動時の痛みや不安定性が自覚できる主な症状となります。この状態で無理をしてしまうと、他の組織の損傷などにつながり、慢性的な痛みや関節の変形(足の変形性関節症など)などを生じることもあるため、捻挫をした時点で適切な診断と治療を受けることが重要です。
検査・診断
捻挫をしたときの状況や、どのような方向の外力を受けたかといった情報に基づき、患部を押したときの痛み(圧痛)の有無、関節の緩みの程度を触診や徒手テスト(医師の手による検査で評価すること)などで確認します。このほか、必要に応じて、X線(レントゲン)検査による骨折の有無を確認や、MRI検査による靭帯の損傷状況の確認などが行われます。
治療
捻挫の可能性が考えられる場合は、すみやかに「RICE処置」と呼ばれる応急処置を行いましょう。RICE処置を行うことで、腫れや損傷部位の拡大、内出血などを抑えることができます。
Rest(安静)
運動を中止して安静にし、患部を動かさないようにします。医療用テープや三角巾などを使い、患部を固定します。
Ice(冷却)
氷を入れたビニール袋などをタオルやハンカチで包み、患部を冷やします。
Compression(圧迫)
弾性のある包帯やU字パッド(スポンジ)などを使い、しびれや皮膚・爪の変色が生じない程度の強さで患部を圧迫します。
Elevation(挙上)
クッションなどを使い、患部を心臓より高く上げた状態を維持します。
医療機関での治療
損傷部位や重症度により治療法は変わりますが、基本的には手術を行わない保存療法が選択されます。ギプスや三角巾などで患部を固定し、痛みや腫れがないようであれば、受傷後なるべく早い段階で運動の訓練を始める保存療法が選択されます。
重症度の高い足関節捻挫のうち一部の症例では、靭帯を再建する手術が検討されることがあります。アスリートの方など、スポーツ復帰を希望する方の場合は、術後数か月から半年かけ、アスレティックリハビリテーションと呼ばれる専門的なリハビリを行います。
熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。
診療内容:整形外科・スポーツ整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科