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足の親指の付け根が痛い、なんだか変形してきた・・・?

外反母趾

外反母趾とは足指の変形のことで、母趾(足の親指)の付け根の関節が第二趾のほうに“くの字”に曲がったものをいいます。この角度が20度以上のものを外反母趾とすることが一般的です。母趾の付け根の関節は足の内側に大きく突き出し、靴との摩擦で強い痛みが生じるため、歩行障害の原因になります。また、重症の場合には、母趾の付け根の関節が亜脱臼することもあり、手術が必要になることもまれではありません。

中年以降の女性に多く発症しますが、最近ではハイヒールが原因の外反母趾が20~30歳代の女性に多く見られます。

原因と病態

外反母趾の原因には、生まれながらの解剖学的な特徴である遺伝的な要因と、生活習慣が大きく関わる非遺伝的な要因があります。

遺伝的要因

遺伝的要因による外反母趾は若年者にも多くみられます。扁平足や開張足、関節が柔らかい人や母趾の長い人が、外反母趾になりやすいといわれています。

特に扁平足や開張足では足のアーチ構造が崩れ、立位になると足の前の部分が全体的に扇状に広げられます。この場合、靴を履いたときに、広がった足先が靴先に圧迫されて外反母趾を誘発すると考えられています。

また、母趾が第二趾より長いと、靴の締め付けによって母趾が外側に屈曲した足型となり、外反母趾の誘因となります。

非遺伝的要因

ハイヒールや足先の細い靴を履くことで足先に過剰な力が加わって、外反母趾を引き起こすとされています。さらに加齢による筋力の低下などによって足のアーチ構造が崩れることも原因になります。

また、関節リウマチの代表的な症状の1つである関節の変形は母趾にも起こりやすく、重度で治療が難しい外反母趾の原因となります。

症状

外反母趾では、足の母趾の関節が外側に屈曲し、関節自体は内側に突出するため、靴との摩擦が起こりやすくなり、突出部分に炎症や潰瘍を形成することがあります。

ひどくなると、突出部の皮下に浸出液がたまることもあり、腫れや発赤を生じます。これにより、歩行時に痛みを感じ、歩行障害の原因となります。また、突出部分を通っている神経が障害されて、しびれや神経痛が引き起こされることも多々あります。

このようなさまざまな症状が生じると、自然と不必要な歩行や動作を避けるようになります。これにより筋力の低下が生じて扁平足や開張足を悪化させ、さらに外反母趾を悪化させるという負のスパイラルが生じます。

さらに症状が悪化すると、歩行時に母趾での蹴り返しが行えなくなるため、代償的に第二趾に過剰な負担がかかり、足の裏の第二趾の付け根付近にタコができることがあります。また、母趾の外側への屈曲が進むと、母趾が第二趾や第三趾の下に潜り込んで、母趾の付け根の関節が亜脱臼することがあります。このような状態になると、非常に強い痛みが生じるだけでなく、体重バランスの悪化による歩行障害が引き起こされます。

検査・診断

外反母趾は、外見から診断されますが、その状態を評価するためにX線検査(レントゲン検査)が行われます。X線検査では、母趾の外側への屈曲の程度を評価します。また、関節の破壊などがないかを調べ、治療方針を決定していきます。

関節リウマチや関節が緩みやすくなるような先天性の病気がないかを調べるために、内科学的な血液検査や画像検査などが行われることもあります。

治療

外反母趾には保存的な治療と手術による根治治療がありますが、多くは保存的治療が選択されます。

保存的治療

痛みに対して消炎鎮痛剤や湿布などが用いられます。また、外反母趾を矯正するための装具や足のアーチ構造を守るための足底板などが用いられます。

生活上の注意として、足先が細く、ヒールの高い靴を避け、関節の突出部分がこすれない幅広の靴を選ぶことが挙げられます。また、足のアーチ構造を正常にするための運動も、外反母趾の痛みを改善するのに効果的であるとされています。

手術

矯正装具を用いても変形が改善せず、歩行障害を生じている場合には手術による根本的な治療が行われます。

一般的に行われる手術では、関節の突出部を切除し、母趾のつけ根の骨を切って関節の突出を矯正します。病変が重度であっても関節機能を温存する術式を選択するのが一般的ですが、関節の構造が破壊されている場合は、関節固定術が行われることもあります。

そのほかにもさまざまな術式がありますが、レントゲン画像や足の状態を評価しながら、自身の足に合った最適な術式が選択されます。

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