野球肘のひとつ!?投げる動作で肘が痛い・・
肘頭(ちゅうとう)疲労骨折

肘頭とは肘のことで、肘頭の疲労骨折は、野球、ハンドボール、やり投げ、テニスなどの投球動作やこれに似た動作を行うオーバーヘッドスポーツのほか、器械体操、レスリングなどで発症します。発生が最も多いのは野球で野球肘と呼ばれるものの一つです。投球動作などの繰り返されるストレス、オーバーユース(過度の使用)が原因となります。疲労骨折についてはこちらをご参照ください。
原因と病態
投球動作の腕を振り下ろす際に肘とその周辺へ繰り返されるストレスにより発症します。要は’投げすぎ’’使い過ぎ’が原因です。
症状
本人の訴えとしては、投げるような動作のうち、腕を振り下ろすタイミングでの肘の後ろから内側にかけての痛みが主です。多くの場合、肘に押したときの痛みがあり、肘の可動域制限を伴います。また、ほとんどの場合、肘を完全に伸ばした際に痛みが誘発されます。
検査・診断
診察ではスポーツ歴、発症時期、痛みが出る肢位・動作を確認します。医師による痛みを誘発するテストを行います。この疲労骨折はレントゲン写真でも骨折線が見られない場合、あるいは見逃される場合がしばしばありますが、確認できる場合もあります。レントゲン写真で骨折線がはっきりしない場合はスポーツ歴や症状から疲労骨折を疑い、MRIやCT検査を行います。
治療
肘頭疲労骨折は原則的に保存療法で治療します。スポーツ活動を休止し、症状に応じては数週間の外固定を行います。基本的には疲労骨折が生じた部位に負担をかけないことが重要です。
痛みがある状態で、無理に練習を続けてしまい疲労骨折の発見が遅れると、骨折が治りにくい「難治性骨折」や「偽関節」となる場合があります。手術が必要となる場合もありますので注意が必要です。
復帰に関しては、定期的なMRIや超音波検査、X線検査の結果を見て、試合や生活のニーズに合わせながら段階的に医師が復帰時期を指示・提案させていただきます。
保存療法
理学療法士が、疲労骨折を発生させる原因となる体の使い方やバランスの不十分な部分を評価し、適切にリハビリテーションを行います。併せて、普段心掛ける事や、自主トレーニング方法、患者様に合ったインソールなどのスポーツ用具に関しても、必要に応じてご提案させていただきます。
当院では、疲労骨折に対して、超音波骨折治療法「LIPUS(アクセラス)」を導入しています。骨折の治療期間が4割ほど短縮できたとの学術データもある先進医療の一つです。この治療法は、サッカーのデビッド・ベッカム選手や野球の松井秀喜選手が骨折治療のために受けたことでも知られています。
手術療法
基本的には保存療法ですが、手術の場合はヘッドレス・スクリュー、tension band wiringなどによる強固な骨接合術や骨釘移植術などが行われます。偽関節例では、偽関節部を取り除き、必要に応じて骨移植を行い、内固定をします。


熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。
診療内容:整形外科・スポーツ整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科