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上腕骨外上顆炎(テニス肘)

上腕骨外側上顆炎とは、肘の外側に痛みが現れる疾患で、スポーツのなかではテニスに関連する疾患であることから、「テニス肘」と呼ばれます。ものを持ち上げたり、手をひねったりする動作を繰り返すことを原因として発症します。上腕骨外側上顆炎を発症すると、痛みの影響から日常生活動作に悪影響が生じることがあります。

原因と病態

指や手の関節を伸ばす筋肉は、上腕骨の一部である「外側上顆がいそくじょうか」と呼ばれる肘の外側にあたる部分に付着しています。ものを持ち上げたり、手をひねったりする動作を繰り返すと、慢性的に外側上顆に炎症が引き起こされ、結果として上腕骨外側上顆炎が発症します。上腕骨外側上顆炎と関連した動作を慢性的に繰り返す状況としては、テニスが代表的です。上腕骨外側上顆炎はテニス選手に発症することが多いことから、別名「テニス肘」とも呼ばれています。しかし、実際には、家事を通して同様の動作を繰り返す機会も多く(たとえば雑巾を絞るなど)、テニスをしたことのない主婦に発症することもまれではありません。一般的には、加齢とともに腱が傷んで起こるとされていますが、原因についてはまだ十分にわかっていないのが現状です。

症状

上腕骨外側上顆炎の症状は、ある一定の動作をしたときに腱の付着部位である肘の外側が痛むことが特徴です。たとえば、ものをつかんで持ち上げる、タオルや雑巾を絞る、といった動作に伴って痛みが生じることがあります。その一方で、安静にしているとき(すなわち、筋肉の動きを伴っていないとき)には痛みが生じないことが多いです。

検査・診断

上腕骨外側上顆炎は、身体診察における検査によって診断されます。

Thomsenテスト

肘を伸ばした状態で患者さんに手首を反らしてもらいます。医師は患者さんが反らした手首に抵抗を加えます。このときに肘の外側に痛みを感じるようであれば検査陽性と判断されます。

Chairテスト

肘を伸ばした状態のまま患者さんに椅子を持ち上げてもらいます。このときに肘の外側に痛みを感じるようであれば、同じく検査陽性です。

中指伸展テスト

肘を伸ばしたままの状態で、医師が患者さんの中指に抵抗を加えます。患者さんには指全体を伸展してもらいますが、このときに肘の外側に痛みを感じるようであれば上腕骨外側上顆炎と診断されます。

また、上腕骨外側上顆炎では局所のレントゲン写真を撮影することもあります。レントゲン写真は多くの場合、異常所見は認めませんが、ときに伸筋腱が付着する部位の骨に病的な変化がみられることがあります。

治療

上腕骨治療は大きく保存的療法と手術療法の2つに分けられます。

保存療法

ストレッチ、原因となるスポーツの一時中止も含めた患部の安静、装具着用、薬物投与などがあります。このなかでも重要なのはストレッチです。テニス肘が起こる要因は使い過ぎによるものなので、少し作業を控えてもらうとともに、手首周辺の筋肉のストレッチを行います。また、作業を行うときには専用のベルト(装具)を装着します。

痛みが強い場合は、ステロイド入りの局麻剤を注射して痛みを軽減させたり、湿布を貼ったりすることもあります。また、運動をしたあとのアイシングも行います。保存療法を行っても病状が再発することもあるため、筋力トレーニングを重ねて上肢全体の筋力アップを図ることも有効です。

手術療法

保存療法を開始してから半年程度で多くの方はよくなりますが、改善しない場合には手術を検討します。手術には全身麻酔による皮膚切開を行う方法と内視鏡手術の2つがあります。内視鏡による手術は、患者さんの身体への負担が比較的小さく、より早期に作業復帰が可能ですが、外側上腕骨上顆炎の治療効果が不十分とならないよう、手術の適応に関しては慎重な姿勢がとられます。

http://www.jssh.or.jp/ippan/sikkan/pdf/7tennis_3.pdf

※日本手外科学会「手外科シリーズ7」から画像を引用しております。

首の痛み首の痛み
肩の痛み肩の痛み
肘の痛み肘の痛み
手の痛み手の痛み
腰の痛み腰の痛み
股関節の痛み股関節の痛み
膝の痛み膝の痛み
足の痛み足の痛み
リウマチ性疾患リウマチ性疾患
骨粗鬆症・骨折・脱臼骨粗鬆症・骨折・脱臼
キズキズ
交通事故交通事故

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