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土踏まずがない!?

扁平足(へんぺいそく)

扁平足とは、足のアーチ構造にゆがみが生じて土踏まずがなくなった足のことを指します。足のアーチは、二足歩行をする際に足への衝撃を吸収したり、アキレス腱に加わる力をつま先に効率よく伝えたりする働きがあります。足には3つのアーチ構造があり、土踏まずの形成に最も関わるのは内側縦アーチです。これは、内側のくるぶしの下を通っている後脛骨筋腱が足全体を吊り上げることで形成されます。このアーチによって、土踏まずができます。

土踏まずは歩行前の乳幼児にはありませんが、歩行を重ねるごとに足のアーチ構造が鍛えられ、徐々に形成されます。小児は足の脂肪組織が厚いため、土踏まずは目立ちにくいですが、学童期になるとはっきりわかるようになります。

幼児期に生じる扁平足を幼児期扁平足といい、成人に生じる扁平足を成人期扁平足といいます。幼児期扁平足は成長と共に改善することが多く、問題となることはほとんどありません。しかし、成人期扁平足はさまざまな症状を引き起こすことがあり、重症な場合には手術が必要になることもあります。

原因と病態

発症時期によって原因は異なります。それぞれの原因は以下の通りです。

幼児期扁平足

幼児期扁平足の多くは、足を形成する骨をつなぎ合わせる役目を持つ靭帯が緩むことで、足のアーチが十分に形成されないことが原因となります。しかし、歩行を重ねるごとに靭帯の弛緩性も解消し、自然と治ることが多いです。

一方、先天性足根骨癒合症やマルファン症候群、外傷、神経障害などが原因で生じる扁平足は成長しても治らないことが多いという特徴があります。

成人期扁平足

足のアーチを形作る靭帯や腱が、加齢による変性や長時間の立位・歩行、無理な運動などによって傷つき、足のアーチが維持できなくなることが原因です。最も多いのは、後脛骨筋腱が加齢性変化や体重負荷によって断裂する後脛骨筋腱機能不全と呼ばれるもので、中年以降の女性や肥満体型の方に多く発症します。

症状

幼児期扁平足

幼児期扁平足の大半は特に症状がなく、成長と共に改善します。しかし、先天性足根骨癒合症などのように成長に伴って改善しないタイプの扁平足では、歩行開始の遅れや、歩行の不安定さ、姿勢の悪さなどの症状が生じることがあります。

成人期扁平足

一方、成人期扁平足では、足関節の靭帯や腱の付着部に腫れや痛みが生じます。内側のくるぶし付近に生じることが多いですが、損傷を受ける場所によって腫れや痛みは変わり、足の裏や外側に症状が出ることもあります。また、症状が悪化すると足関節の柔軟性が失われ、歩行障害や姿勢が悪くなって頭痛や腰痛などを引き起こすこともあり、全身に影響を与える可能性があります。

検査・診断

扁平足の診断では、立位時に土踏まずが形成されていないことを確認する必要があります。

成人期扁平足の場合には立位を後ろから見ると、足の扁平化だけでなく、かかとが外側を向いて外側から足の指が見える状態となるため、視診が重要な診断材料となります。

しかし、幼児や肥満の方の場合は足裏の脂肪組織が厚いため、足のアーチが正常であっても外見上は扁平足と認識されることがあります。一般的には、体重をかけた状態でレントゲン写真を撮り、足関節とアーチの角度や高さを評価する検査が行われます。また、足の型を取って接している部分と接していない部分から土踏まずの形状を評価したり、土踏まず率の計測が行われたりすることがあります。そのほかにも、腱や靭帯の損傷を評価するためにMRI検査が行われる場合もあります。

治療

幼児期扁平足の大多数は治療の必要がなく、成長と共に自然と改善していきます。一方、成人の場合は痛みなどの症状を伴うため、鎮痛剤や湿布で保存的な治療が行われます。また、足のアーチ機能を補助する足底板などの装具を装着することもあります。足のアーチを鍛えるためのリハビリや減量指導も並行して行われることもあるでしょう。これらの保存的治療を行っても症状が改善しない場合や、先天的な原因で扁平足を発症している場合には、腱移行術や関節手術が行われることもあります。

首の痛み首の痛み
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