鵞足炎(がそくえん)
鵞足炎とはスポ―ツなどにより引き起こされる、膝の慢性的な炎症です。鵞足とは、膝の関節のすぐ下にある脛骨(すねの内側の長い骨)の内側につながっている3つの腱(筋肉と骨をつなぎとめている線維組織)です。
膝の屈伸や内転筋(太ももの内側の筋肉)が活動する動作が多いと、靭帯や腱が骨との摩擦によって傷つき、炎症を起こすことがあります。その結果、鵞足炎や鵞足滑液包炎を含む、さまざまな膝の障害が現れます。
鵞足炎や鵞足滑液包炎を起こすと、痛みを感じます。鵞足炎では鵞足に小さな損傷が生じることで、鵞足滑液包炎では鵞足の下にある滑液包に炎症が起こることで痛みを感じます。
原因と病態
過度なスポーツや運動
合わない靴、安定しない足元での運動
膝の使い過ぎによる、鵞足・鵞足滑液包の過度な摩擦
外傷
鵞足滑液包炎の場合には、関節リウマチや痛風といった全身性の病気、または滑液包におこる感染症などによっても引き起こされます。
症状
鵞足炎や鵞足滑液包炎では、膝に痛みを感じるようになります。激痛を伴うこともあります。主に痛みが現れるのは、足の内側の膝から、すねにかけてのあたりです。このあたりは、鵞足を構成している3つの腱(縫工筋・薄筋・半腱様筋)と、脛骨がつながっているところです。痛みは階段の上り下りのときに感じやすくなります。
検査・診断
鵞足炎や鵞足滑液包炎は、症状から診断します。上記のような原因で鵞足や鵞足滑液包に炎症が起こっている可能性があり、鵞足のあたりに痛みがピンポイントで生じている場合には、鵞足炎や鵞足滑液包炎と診断することができます。
その他、超音波検査によって膝の状態を明らかにすることも、診断や治療方針の決定に役立ちます。
治療
鵞足炎や鵞足滑液包炎では、下記のような治療が行われます。
安静
薬物治療(非ステロイド性抗炎症薬の投与)
グルココルチロイド(炎症をおさえるステロイドホルモン) の注射
理学療法
靴やランニング環境などの改善
などがあります。
治療は、重症度によって異なるため、医師と相談しながら進めることが望ましいです。
熊本市東区御領の整形外科クリニックです。お子様の成長やスポーツに関する悩み、働く世代の方々の痛みやしびれ、高齢の方々の歩行や動作の不安や障害など骨、関節、筋肉に関する問題など、ご相談ください。
診療内容:整形外科・スポーツ整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科